アップデート完了。72歳、ニューラルネットワークの海へ

みなさん長らく、というか一年ぶりの記事更新、失礼いたしました。 更新が滞っていたこの一年、僕がいったい何をしていたか。

家内がそのライフワークである庭の手入れに丹精を込めている横で、私は隠居よろしくボケーっとしていたわけではありません(まあ半分はそうですが)。 実は、自身のOSをメジャーアップデートし、AIという未知の領域へフルコミットしておりました。

特に時間を要したのが、私の「外部記憶装置」とも言える自宅スタジオのアーカイブ整理です。 ここには過去20年にわたり録り溜めてきた曲や、一方ギター、ベース、ドラムの膨大なアウトテークの録音データが眠っていました。いわば、私の音楽人生の「澱(おり)」のようなものです。

この一年、私はこの大量の非構造化データを、来る日も来る日もAIという名のニューラルネットワークに「学習」させ続けていました。 埃をかぶったハードディスクから、かつての録音仲間が弾いたフレーズを掘り起こし、タグ付けし、モデルに読み込ませる。それは単なるデータ入力ではなく、私自身の音楽的DNAをデジタル空間に移植するというか、一種の儀式めいた、側から見れば謎めいた作業でした。

周囲からは「悠々自適な老後」を勧められますが、どうやら私には、静かな余生よりも、GPUのファンが唸りを上げる音の中で、かつての自分と対話する方が性に合っているようです。

もちろん、初期学習にはノイズが混じります。 しかし、20年分の私の手癖を学習したAIが、私の意図を超えたリフを吐き出した瞬間、そこに「他者」ではなく「拡張された自分」を見出す興奮は、何物にも代えがたい知的体験です。

物理的な肉体は経年劣化を避けて通れませんが、知的好奇心というソフトウェアに限界はありません。 アナログな「50年の蓄積」と、最先端の「推論能力」が融合した今、私の創造性は人生で最もスリリングなフェーズを迎えています。これがゴールデンディケード70代なんですかね。

シンギュラリティの波を、愛機と20年分のデータと共にどう乗りこなすか。 72歳の挑戦的な実証実験はまだまだ続くような気がします。

中学生の頃のアイドルお姉さんアンマーグレット。いくつになったんですかね。これ見ると、とても元気になるよ。

Free Form Scape 001-021

音楽の決まりごとから大きく逸脱して自由気ままなトラック作りを始めてからもう何年も経つ。振り返ってみると録音しながら繰り返しプレイバックする音が気持ちよくて、何曲も何トラックもHDに記録してきた。そんな音たちをHDから救い出して再構築しマスタリングしてみたら一気にこんな数のトラックができた。

再構築にあたって活用したソフトや機材は以下の通りです。

DAW Logic Pro X with MIDI FX Randomizer 

FX Native Instruments Raum

音源 Native Instruments Kontakt 8, Apple Alchemy, Audio Modern Playbeat 3, U-he Repro etc.

ハードシンセ Arturia MINIFREAK、Teenage Engineering OP-1 and TP-7 as recorded Ambient Samples.

録音機器 SONY PCM-D100 throgh Teenage Engineering TX-6 Mix

即興的に思いつきで使ったものがまだまだあったと思うが、上記でほぼリミックスを行っている。

きりがないので、今年はとりあえずこんなところでお休みに入ろうっと。

よいお年をお迎えください。

一期一会的レコーデイング記録のアーカイブをアップし始めました。Once in my life-time unusual and rare sounds from recordings

DAW(私の場合はApple Logic X)のトラックにMIDIプラグインやMIDIFXを使ってソフト音源や外部音源を同時に鳴らし、それをSDレコーダーに録音するという方法で録り溜めたトラックが相当数たまってきた。聞き返してみるとなんとなくさまになっているので、記録の意味合いもありサイトに上げ始めることとした。録音は毎回音源も手法も変えながら現在も続けているが、これがなかなか楽しくて、「どんな音が作れるか」と、ついついしまっていたシンセ類を引っ張り出すこととなる。ただ、セッティングにものすごく時間がかかるのが難点だ。機材やソフトについてはおいおいこのページで紹介します。

録音は早朝4時くらいに寝ぼけ眼で始めることが多い。

なんもしないうちに12月。。

アイディアが湧いてこないし、なによりも制作に集中できなくなってきた。なんとかしようともがきながら、昔のシンセなんかを取っ替え引っ替え引っ張り出す。いろいろと鳴らしているうちに、なんか光が見えたような気がするも、翌日には同じ音がでない。これが70代ということかと自問するのもバカバカしく、NetFlixなんかを見ながらどんどん時が過ぎていく。とりあえずは風邪などひかないように気をつけて、来年のブレークスルーを待とう。

さてさて。。

自作アルバムのCDを制作してから、エネルギーを使いすぎたのか音楽制作には無気力な状態が続いていた。なんとか創作意欲を搾り出そうともがき苦しんでいた中、音楽生成AIに出会いいろいろなサイトにしばらくハマった。これは自分をダメにする!!と、サイトへのお出入り禁止を自ら課した。そして初心に戻ろうと思い立ち、今はこの7080のサイトに格納されているトラックをアトランダムに聴いては次に行くヒントを探している。安心してください。僕は元気です。

 このコンサート映像に痺れた。

Sadeのハスキー極まった歌声、決して派手ではないが、なんだか魅惑的な振り付け。極め付けは、この映像美。10年も前にはまってしまい、何度も見たことを思い出し、ここに再登場願った。なんだかまたビデオを撮りたくなった。桜の季節だし。。

島々のオールスターズ。

左から大島、初島、三宅島(うっすらではあるが)、利島、新島、式根島、今朝は肉眼で全て見えた。島々がはっきり見えなくなると春近しということだろう。でも今朝は寒い。

7080Recordsの全楽曲のデータベース化が急ピッチで進んでいる。

とにかくあっちこっちにあったアルバムを一箇所に纏めDiscograpyにするという作業は、2018年から2023年までの5年間、集中的に制作してきたアンビエント、エレクトロニカ作品のデータベース化から始め、昨年までの全アルバムのアップがようやく完成した。(サイトにてフル視聴可能です)

Discography 2018-2023

Dear Mr. Fantacy

2012年北京で制作した” Studio6070 covers 6070s ” は、つい最近リマスターしたばかりだが、いくつかの曲で気になったことがありオリジナルのDAWデータのミックスをやり直すことにした。第一回目はStevie Winwoodというかトラフィックの名曲、Dear Mr. Fantacyを解剖したてみた。

リミックス前

まず、気にいらなかったのが、ボーカル。当時、ボーカロイドが出たばかりで英語の歌詞入力や節まわしなど調教不足が目立つ。もともと歌声に選んだ巡音ルカの声質がこの曲のグルーブ感を表現できなかった、というかボカロっぽすぎた。じゃあ、ということでSynthsizer Vを導入し、Natalieに歌わせたら、しっくりきたのでボーカル変更作業を開始。Synthsizer VのVocal to Midi で本物のボーカルで歌わせてみたり、歌声の違いを試したりしたりして遊んでたら、どえらく時間がかかってしまったが、結局、AIのNatalieがこの歌にはしっとりしていてよかったので採用。歌詞入れは、本物の節回しが大いに参考になった。

最後は、ベースとドラムスの差し替え。曲自体が70年初期のドラムの雰囲気(ワンテンポ遅れるイナタイ感じ)を出したくてEZドラム3を使用。さらにベースも打ち込みし直してKontaktのベースに差し替え。

これで完成かとよーく聞き直してみると、残っていたトラック(特にギター)が走っていてテンポ調整も余儀なくされた。僕は、Logic Proを使っているので、スマートテンポが本当に活躍してくれた。そんなこんなでリミックス作業完了。あとはマスター作業。ここは、話題になった「音圧爆上げくん」にお願いしてみたら、プロ度96%という結果に。これ以上弄ると何かに気がつき何かをしなければならないのでこの辺で終了ということで。アルバムデータの差し替えは後々ということで。

リミックス完了後

こんなに食い入るようにYOUTUBEを見るのは久しぶりだ! この時代にStop Making Senseが蘇り、僕に喝を入れてくれる。

40年も前の話。当時、僕の部署に新しく入った社員を家に招いた。部屋の片隅に置いてあったビデオ見つけて、一言つぶやいた。

これ「持ってるんスね」「これ見たいです」と言って勝手にデッキにインサートしてから一言も喋らずづーっとテレビ画面に見入っていた。

その子は放心状態で一言も喋らず帰っていった。

今、2024年、70になった僕が興奮している。”Stop Making Sense”  が4Kレストアで蘇る。

いくつもあるトレーラの中でデイビッドバーンが長い間預けてあった歌舞伎にヒントを得たというあのブカブカスーツをクリーニング屋に取りに行くシーンから始まるコレが最高だ。

このParamoreのスタジオライブもTalking Headsのすごさを今の時代に伝えてくれる。